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005

和田 昌宏

和田昌宏和田昌宏
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profile

1977年東京生まれ、東京在住。イギリスのGoldsmiths College卒業。国境も時代も超えた様々な要素を複雑に絡み合わせ独特のダイナミックな世界観を作り上げる。
http://www.masahirowada.com/
ブックイメージ2 ブックイメージ2
ブックイメージ3
WHO 005
定価:1,200円
A5変形・96ページ
日英バイリンガル

インスタレーション、彫刻、映像作品、パフォーマンス…… 和田さんは、色々な形で作品を発表している。そのサイズも手のひらにのるものから、展示スペースに収まりきらない大作まで幅広い。そして作品を展開する場所も様々。通常のホワイトキューブはもちろん、自宅の一室で展示をしたり、近所のフリーマーケットやあっちこっちの 路上といった街中にも繰り出す。本当に様々なスタイルを持っているけど、その根底にはとても濃い和田色が流れています。


W:日常よく目にするものだったり、伝説であったり、昔の人であったり、本当に幅広い要素によって作品が構成されているのですね。どういったものが作品の要素となるのですか?


和田:自分の中でどこか理解されないものだったり、分からないものですね。その方が惹かれるし、探ろうとするし、作りたいとも思うんです。自分でも見てみたい、発見したい、そういう気持ちがあるんじゃないかな。
全く関係のない要素同士でも、共通のテーマを持っていれば、そのテーマ自体がもっと広がっていくし、多角的に見えてくると思う。それによって輪郭がひょっとしたらぼやけるかもしれないけど、そのぼやけも心地良かったりするし、そこでまた次の段階が見えてきたりする。ひとつの作品から、どこまで世界やアイデアを広げていけるか、迷っていけるか、それが重要だと思っているし、その辺がやっていてもおもしろいところ。


W:ケバブを彫刻にみたてたり、尾長鶏の尾を彫刻としてスキャンしたり、和田さんの作品の中で彫刻はかなり重要な要素だと感じたのですが、その辺はどうですか?


和田:彫刻自体が持つどこか土くさいところや、手作りの痕跡が見えるところがいいですよね。無機質で大量生産されているものより、一つ一つに何か痕跡が残っているものが好きなんです。その痕跡が大量生産されていく消費社会に忘れさられていくことに対して、もどかしさも感じています。
あと美術の中で彫刻が抱える問題をどうにかしたいという思いはありますね。平面とは違って、丸められないから収納も大変だし、処分するのにもお金がかかる。美術の中でもすごくデメリットが多いジャンル。そういう彫刻というジャンルの問題点を解消していくことでもっとおもしろくなっていくんじゃないのか、そこをえぐっていきたいという気持ちはあります。


W:彫刻の作品はいつ頃から作り始めているのですか?


和田:最近は彫刻を意識して作ったものが多いけど、作るものが立体なだけであって彫刻家ではないし、彫刻を作っているというよりは彫刻を素材として作品を作っている。彫刻を意識し始めたのは「Mt. Dove」、「WADA's Tasty Kebab」ぐらいからかな。


W:「Mt.Dove」は、石けんに山が彫刻されている作品ですが、なぜ石けんで山を作ろうと思ったのですか?


和田:巨大な山は、地球上で一番でかい物質であり彫刻。その巨大な質量を最小限小さく、身近にあるもので形作ってみるということをしたかった。質の変化というか。山という重さを量れないものを、量ってみるということもしたかった。他にも香り玉を使って山を作りました。小便器の中の香り玉は、小便によって削られていく、いわば排泄物からつくる彫刻。それが山脈になっているのはおもしろいなと思って。

(WHO vol.5 から抜粋)



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staff

杉原洲志 Shuji Sugihara
1976年生神奈川生まれ。
WHO編集長/アートディレクター