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黒沼 真由美

黒沼 真由美黒沼 真由美
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profile

1968年千葉県生まれ、在住。サナダ虫、カツオノエボシ、競走馬、様々の生物をモチーフに、人間中心世界ではない独自の視点を持って作品を作り続けている。

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ブックイメージ3
WHO 006
定価:1,200円
A5変形・96ページ
日英バイリンガル

初めて見た黒沼さんの作品は、10m以上もあるレース編みのサナダ虫でした。そしてその横にいたのが、帽子をかぶり猫背気味の黒沼さん。知識、毒、愛、様々なものをちりばめ、ぼそぼそとしゃべる語りは中毒性が強く、作品同様にある意味、未知の生物との遭遇でした。肛門暖簾、躍動感溢れる競走馬、浮遊感のあるクラゲ等、黒沼さん独特 の世界観を持つ作品を紹介していきます。


黒沼:ペンの強弱で書くすらすらした線や、アニメっぽい絵は描けないままでいるようにしています。迷い無く描けるほど手が慣れてしまうとファインアートの作家としては駄目になるのでないかというのが、自分の中にはある。


W:それは自分の中でのルールなのですか?


黒沼:アニメ絵を描けるようになってはいけないとか、そういう理不尽な、自分限定の制約を己に課すこともファインアート作家としての必要条件なのではないかと思っている。幼稚園児が描く線の持つ新鮮さを大人になっても保たないといけないと思っている。自分が描いている結果よりも自分はずっといいものを見ているのだろうな、と期待させるような絵を描きたい。


W:なるほどすごくおもしろいですね。ちなみに黒沼さんが好きな画家は誰なのですか?


黒沼:ヘンリー・ダーガー。ヴィヴィアン・ガールズはどうでもよくって、南北戦争に出て来る馬の絵や、雲の描写がすごく素敵。


W:アトリエにお邪魔したり、取材を進めているうちに実は、ヘンリー・ダーガーと黒沼さんには共通点があるのではと秘かに思っていたところです。カオスと化した家の中でひたすら作品を作り続ける黒沼さんは、ヘンリー・ダーガー同様に、自分たちが見たこともない景色を見ているのだろうなぁと。生活においても黒沼さんは「自分ルール」が多い気がします。白いものしか食べないとか聞いたことがあったような。そうしたルールを課すことで、人とは違う環境に身を置く、人との差別化を図るという意識はありますか。


黒沼:差別化を図るというよりは、ちょっと強迫神経症みたいな感じ。むしろスタンダードなもの、偏ってない方向に行くためのルール。実際は思いっきり偏っているのだろうけど。最近は白いもの以外も食べていますね。色々変わってきています。


(WHO vol.6 から抜粋)

 


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staff

杉原洲志 Shuji Sugihara
1976年生神奈川生まれ。
WHO編集長/アートディレクター