BITE VOL.11 group
2011-5-9(Mon)
ゲイの存在を様々な角度から
探るビジュアルブック「BITE」が
只今構想段階。
虫も一匹だと
なかなかかわいいものだ。
どこにいるかなぁ、いないねぇ。
葉っぱの後ろなんかに
ひっついているダンゴ虫を見つけて、
あ、こんな所にいる、
あ、動き出した、
どこに行こうとしてるんだろうねぇ
なんて感じで。
でも、虫の気持ちを想像して、
「おうちに帰ろうとしてるのかな?」なんて
楽しめるのも1匹や2匹まで。
それが5匹、10匹となった途端、
虫好きではない僕は、
かわいいなんて言ってられなくなる。
互いに互いの体を登り合ったり、
何を考えいるのかさっぱり分からず
思い思いに動いている様は
まさにうじゃうじゃ。
一列に整列して行進でもしてくれれば
まだ楽しく見れるだろうなんて
とっても勝手な事を思ってしまう。
でも、同じような姿形のダンゴ虫の群れが、
全員が同じ目的を共有し、
同じ方向に整列して動く様は、
それ自体が結合された一つの生き物のようで、
多分それはそれで何か不気味で恐ろしいのだろう。
人間に勝ち目がない気がしてしまう。
まさにオームの大行進。
たくさんのマリリン・モンローの顔が整列する
アンディ・ウォーホールの作品。
くり返されるマリリンの顔は、
柄のように目に映り、
彼女の強烈なセックスシンボルとしてのイメージや
孤独な自殺を遂げた悲劇的なイメージも
和らぎ、覆い隠されるように感じる。
双子も日常に潜むくり返されるイメージの一つ。
そういえば双子の芸人、ザ・たっちのコントで、
カツラを被り、ドレスを着て
マツコデラックスに扮した二人が、
私がマツコよ!
いいえ、私がマツコよ!!
って取っ組み合いになるものがあった。
二人のずんぐりむっくり感が
マツコデラックスを
本当に二つに分けたようで、
見ていて妙におもしろかった。
そういえば、この二人も双子設定だった。
この二人の場合はもちろん違うが、
一卵性の双子を見ていると、
まさに一人の人間が
二つに分かれたのではないかと思うことがある。
一つの意志で二人の人間が動いているような。
すごく混乱することがある。
写真家ヴォルフガング・ティルマンスは、展示をする際に
あえて、同じ部屋に同じ作品を繰り返し使うことをするそうだ。
彼曰く
「普段人は写真を情報としてのみ見たり読んだりします。
しかし同じ写真が突然二回現れることによって、
写真から読み取られた物語は断ち切られてしまう。
写真を読むだけでは収まらない次元が現れたからです。」
(東京オペラシティ/アーティスト・トークより)
ティルマンスの写真には、
一枚一枚の構図の美しさはもちろん、
写真群としての魅力がある。
裸、果物、同性愛、異性愛
様々な要素の集合体が、
ひとつの「こと」となる。
個々には出せない力を持ち
時として個々のイメージを和らげ、
覆い隠すことも。
そしてどんな「こと」も
こんなにも多彩な個々の集合体として
存在していることを知る。
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