AROUND THE WORLD with the ARTISTS VOL.01 彫刻の森美術館
2009-12-5(Sat)
作家と共に世界を巡る「AROUND THE WORLD with the ARTISTS」の第一回目は、
WHO vol.01-03で特集させて頂いた海老原さん、土屋さん、小瀬村さんと
一緒に神奈川県にある箱根彫刻の森美術館へ。
空や山を背景に100点以上の彫刻作品を堪能してきました。
オーギュスト・ロダンの「バルザック」。
海老原さんの一口メモによると、ガウンをとると実は男性器が勃起していて、
ガウンをとったバージョンの彫刻も存在しているらしい。
後藤良二さんの「交叉する空間構造」。
人間のどろどろした人間関係と、人間が持つ整列にならんだ分子構造。
相反するものをひとつの形にまとめた作品。
バリー・フラナガンの「ボクシングをする二匹のうさぎ」。
十字架の上でうさぎがボクシングをしている、
この組み合わせ、かなり色々想像が膨らみます。
新宮晋さんの「終わりのない対話」。
目に見えない、風を目に見える形や動きとして表現している作品。
ピーター・ピアーズの「しゃぼん玉のお城」。
堀内紀子さんの「未知のポケット」。
残念ながら年齢制限があるので、小学生以上は遊べません。
でも、子ども達が楽しそうに遊ぶ姿を見ているだけでも楽しい。
作家のみなさんにそれぞれ、気になった作品を聞いてみました。
海老原さんは、この作品。
「気になったのは、たぶん少女であろう人物がモデルの彫刻。
短髪で、胸もとても男性的だからはっきりと性別が分からない。
このモデルは胸がなかったのか、それとも作者が意図的に胸を削ったのか。
もっとボリュームのある人を選んで肉感を表現している彫刻が多い中、
こういうスマートな彫刻はあまり見た事がない。上半身と下半身が別物なような感じがする。」
土屋さんは、この作品。
「角材をただ連結させただけという、最小限に手を加わえた作品は、あの中で異質に見えた。
そして野外の中で、植物とともに展示されているところが
よりあの彫刻を美しく見せていると感じた。」
小瀬村さんは、イゴール・ミトライの「眠れる頭像」。
「横になって顔に、ぐるぐる巻きの布。
口だけが出ていて、怪我をしているようにも見える。
かなり顔にフィットして目の形がおぼろに見えるところから、薄い布をイメージできる。
彫刻だけど、布の薄さや透明感といった質感がある。
そういった質感が感じられるのは、彫刻では珍しいと思った。」
ちなみに、僕が気になったのは、
カール・ミレスの「人とペガサス」。
ギリシャ神話の英雄ベレロフォンがペガサスと共に、
怪物キマイラを退治に向かう場面を彫刻にした作品。
人とペガサスの距離間がなんともいえない。
そして、気になった言葉。
(ヘンリー・ムーア企画展室にて。)
「最初に手のひらサイズの小さいな模型を作る。
そこで、どの角度から見ても興味深いものをつくる。」
よく知らない人が作った、なんだかよく分からない形が、
作り手の意図や興味や美的センスが凝縮された形なんだという、
当たり前のことに改めて気付きました。
そもそも、WHOは海老原さん、土屋さん、小瀬村さんの言葉を通じて、
制作過程や、作家自身のことを知ることで、
より彼らの作品を楽しむことができたという実感から生まれたもの。
そんなWHOの原点を改めて感じることができた
第一回目のAROUND THE WORLD with the ARTISTSでした。
それでは次回もお楽しみに。
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