BITE VOL.09 lack
2011-2-16(Wed)
ゲイの存在を様々な角度から
探るビジュアルブック「BITE」が
只今構想段階。
「どこかやっぱり足りない感じがする。
遺伝とかのせいでしょう。
マイノリティで気の毒ですよ。」
昨年12月に行われたある取材の中での
石原都知事のゲイに対する発言です。
ネット上のニュースでこの発言を知った時は、
正直、特に何を思う訳でもありませんでした。
しかし、この「足りない」発言に対して、
異議を唱える動きも見られる。
流すことなく、怒りを覚えた人たちである。
都に対して異議を唱え、
積極的に意見・情報交換の場所をつくっている。
ゲイのカップルにとって
二人の子孫を残せないということは、
ずっと埋まることのない足りない部分なのかもしれない。
ただ、こうした抗議行動や
埋めていこうとするプロセスには
埋まる埋まらないとは別に
何か新しいことを生み出す可能性を感じる。
あるエッセーで
映画監督の篠田正浩が
歌舞伎役者の坂東玉三郎に
「女形から見てどんな女優が素敵か」と聞くと
「それはもう月ものがあがってしまった方よ。
その方たちはもう老女といっていいほどの年頃におなりだが
そのためにかえって女であることを
体で表現しようとなさって見事なものですよ」と答えた。
当事者にとっては、
足りないということは原動力となり、
回りのものにとっては、
強調された足りない状況の中に
新たな魅力を見いだすこともある。
水を用いずに、石や砂によって山水が表現された状況は、
水以上に水というものを感じることのできる
枯山水という新たな美を生み出した。
子孫を残すことのないボクは、
一体何を世に何を残していくのだろう。
BITEでは、ビジュアル提供者を募集しております。
興味がある方はお問い合わせより、メールで一度ご連絡ください。
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